出入国管理及び難民認定法(旧入国管理法)が改正され、より多くの外国人労働者が日本で就労するようになっています。
出入国管理及び難民認定法に対する様々な見解はあるものの、これからさらに外国人労働者は増加し、合わせて転職を希望する外国人労働者も増加することが予想されます。

ただし、外国人労働者の場合は、日本人の転職とは異なり、在留資格等による制限があります。
以下では、外国人労働者が転職する際の手続と注意点をご説明いたします。

転職を希望される方の在留資格を確認する

就労が可能な在留資格(いわゆる就労ビザ)を有して日本に滞在中の外国人労働者は、現在の業務内容と転職先の業務内容が一致しているかを確認する必要があります。

各就労ビザは活動範囲が限定されているため、転職後も同様の業務内容の仕事に就く場合には在留資格変更許可申請を行う必要はありませんが、転職に伴って業務内容が変更した場合は、在留資格変更許可申請を行って適切な在留資格に切り替えなければなりません。

また、身分系の資格(永住権や日本人の配偶者等)は就労ビザとは異なりますので、身分系の資格を有している場合は転職で業務内容が変わったとしても、在留資格変更許可申請を行う必要はありません。

転職時には、就労資格証明書交付申請を行う

就労ビザを有している方が転職する際には、前述のとおり現在の業務内容と転職先の業務内容が一致しているかを確認する必要がありますが、申請人の判断では、当該一致を判断することは難しい場合が少なくありません。
そのため、転職時には必ず「就労資格証明書交付申請」を行うことをお勧めします。

就労資格証明書交付申請は義務ではないため、申請を行わなくても問題はありませんが、転職後のトラブルを避けるためにも、申請を行うことをお勧めいたします。
就労資格証明書交付申請を行うことで、転職先の業務内容と現在有している在留資格の適合性を確認してもらうことができます。

転職の際には、届出義務がある

転職時には、出入国在留管理庁への届出義務が発生します。

出入国在留管理庁は、在留資格を有して日本に滞在している外国人の状況を管理しているため、転職により活動内容に変更があった場合には、届出義務が発生します。

届出義務があるのは、平成24年7月9日以降に上陸許可、在留資格変更許可、在留期間更新許可等を受けた外国人に限りますが、多くの在留資格が数年の許可しか下りないため、実質的に現在在留資格を有して日本に滞在されている方の大半は、届出義務が発生することになります。

転職の際の届出義務は本人に課せられていますが、退職元である企業も協力して届出を行うことをお勧めいたします。
企業には届出義務が課せられていないものの、就労していた外国人従業員の管理に不備があると出入国在留管理庁に判断される可能性もあります。

出入国在留管理庁からの評価が低い企業は、今後の外国人労働者の受け入れ許可等に悪影響を与える可能性があるため、外国人従業員との良い関係性を築き、適切な届出等を援助することも大切です。

届出を行う日程

転職の際には、2度の届出が必要になります。
1度目は退職時、2度目は入職時です。
両届出は、退職時から14日以内・入職時から14日以内に届出を行う必要があり、双方とも外国人就労者本人が行わなければなりません。

しかし、前述のとおり退職元や就職先の企業も同様に外国人労働者の届出が確実に行われるよう管理する必要があります。

届出義務を怠った場合

届出義務を怠ってしまった場合、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請時に不利になる可能性が高くなります。

当該届出は難しい手続ではなく、あくまでも転職を出入国在留管理庁に伝える手続ですが、この届出義務を怠ってしまうことで、最悪の場合日本に滞在させ続けるのはふさわしくないと判断される可能性がありますので注意が必要です。

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請時に届出していないことに気がついた場合(中帯)

届出義務を履行することを忘れたり、在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請時に事実に気がついたりした際には、弁護士等へのご相談をお勧めいたします。

前述のとおり、届出義務を果たしていないと申請時に不利になる可能性が高くなります。
「なぜ、届出義務を果たさなかったのか」ということを、明確に説明する必要があります。

弁護士は、専門家の視点から「意見書」を出入国在留管理庁に提出することができるため、一度ご相談いただくことで皆さまの不安を少しでも解消できる可能性がございます。

まとめ

日本人にとって、転職は当たり前の時代になりましたが、外国人労働者は在留資格の制限や届出義務によって、転職する際に多くの注意点があります。

また、法改正によって不法就労へのより厳しい取り締まりが予想されていますので、転職を検討されている場合には、事前に信頼できる弁護士等の専門家を見つけておくことが大切です。

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