ビザ申請の代行は、弁護士のほかにも、行政書士が取り扱っていることがあります。
弁護士と行政書士では、どちらに相談・依頼すればよいか分からないという方もいらっしゃると思います。
以下では、弁護士の業務と行政書士の業務の違いや、弁護士に相談・依頼するメリットについてご説明させていただきます。

弁護士の業務と行政書士の業務

行政書士の主な業務は、官公署に提出する書類を作成することです。
入管業務においては、取次(本人の代わりに出入国在留管理庁に行くこと)が可能です。
ただし、本人の代理人となることはできません。
特に、退去強制手続・在留特別許可の手続で重要な口頭審理において、本人の代理人としての活動を行うことができません。
また、本人の代理人として訴訟(裁判)を提起することができないため、最後まで十分な活動ができるとは限りません。

一方で、弁護士は、一切の法律事務を取り扱うことができます。
入管業務において、取次(本人の代わりに出入国在留管理庁に行くこと)が可能ですし、本人の代理人となることもできる法律のプロです。
退去強制手続・在留特別許可の手続における口頭審理で本人の代理人としての活動を行うことができますし、本人の代理人として訴訟(裁判)を提起することも可能です。
弁護士であれば、最後まで十分なサポートを行うことができます。

弁護士に相談・依頼するメリット

①的確な手続選択

入管手続には、在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請、在留資格取得申請、就労資格取得申請、就労資格証明書交付申請、永住許可申請、帰化申請、再入国許可申請、資格外活動許可申請、在留資格特別許可申請、難民認定申請、仮放免許可申請など、様々な手続があります。

法律のプロである弁護士に相談・依頼すれば、ただ単に書類を作成するだけではなく、どの手続を選択するのがベストであるかなど、的確なアドバイスを受けることが可能です。

②理由書・意見書の作成

ビザ申請の案件では、通常、本人から聞き取った内容をまとめた理由書を作成します。
理由書は、会社や本人の署名・押印を取り付けて提出することとなります。
この理由書については、弁護士でも行政書士でも作成することが可能です。

しかし、事案によっては、理由書だけではなく、法律の専門家である弁護士の意見を記載した「意見書」を作成し、提出することが望ましいこともあります。
意見書は、弁護士が本人の代理人として弁護士名で作成するものであるため、弁護士でなければ作成することができません。
弁護士名の意見書を提出することで、有利な結果を得られる事案も存在します。

③不許可の場合の迅速なサポート

ビザ申請が不許可となった場合には、再度の申請を行うことが考えられます。
再申請については、弁護士でも行政書士でも行うことができます。
ただし、再申請は、あくまで出入国在留管理庁に対する手続となります。

不許可の場合の対応としては、再申請のほかに裁判所に対する手続として、取消訴訟、無効確認訴訟、義務付け訴訟などの訴訟(裁判)手続も考えられます。
これらの訴訟(裁判)手続を取り扱うことができるのは、弁護士だけです。
万が一、不許可の処分に違法性があると考えられる場合には、弁護士に依頼しておけば直ちに訴訟(裁判)の提起も含めた対応が可能となります。

④オーバーステイや特別在留許可への対応

オーバーステイ等でビザがない方が適法に日本に在留するためには、在留特別許可を得ることが必要です。
この手続において、本人の代理人として活動できるのは、弁護士だけです。
行政書士に依頼すれば、書類作成を代行してもらうことはできます。
しかし、出入国在留管理庁との交渉、口頭審理等の手続での主張・立証などの活動は、弁護士でなければ行うことができません。
行政書士が立会人として口頭審理に入ることもあるようですが、立会人の立場ですので口頭審理において発言することが許されません。
弁護士であれば、口頭審理において法律の専門家として意見を述べるなどの強力なサポートを行うことが可能です。

また、収容されている方については、面会および仮放免の手続が必要となります。
この手続についても、弁護士のみが代理人として活動できる領域です。
行政書士でも面会はできますが、一般面会の扱いで制限が多く、十分な準備を行うことはできません。
一方で、弁護士の場合には、弁護士面会という扱いで面会することができますので、十分な相談や打ち合わせが可能です。

まとめ

以上のように、弁護士は、行政書士とは異なり、法律の真のプロフェッショナルとして、書類の作成にとどまらず、充実したサポートを提供することができます。
入管業務・ビザ申請についてお困りの方は、まずは弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
八戸シティ法律事務所では、入管業務・ビザ申請に積極的に取り組んでおりますので、ご不明のことなどがありましたら、お気軽にご相談いただければと存じます。

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