企業が外国人技能実習生を受け入れる際には、「監理団体」を通じて受け入れる方法が一般的です。
監理団体とは、外国人技能実習生の受け入れをサポートする非営利団体です。
監理団体は許可制となっており、監理団体の許可を取得することにより、外国人技能実習生のあっせんを行うことができるようになります。
なお、職業紹介事業の許可を取得しなくても、監理団体の許可を取得すれば、外国人技能実習生のあっせんを行うことができます。

監理団体の許可には、「特定監理団体」と「一般監理団体」の2つの区分があります。

特定監理団体は、技能実習第1号および第2号を監理することができます。
許可の有効期限は、3年または5年です。
改善命令や業務停止命令を受けなかった場合に限り、許可の更新の際に有効期限5年で申請することができます。

一般監理団体は、技能実習第1号・第2号・第3号を監理することができます。
許可の有効期限は、5年または7年です。
改善命令や業務停止命令を受けなかった場合に限り、許可の更新の際に有効期限7年で申請することができます。

最初は特定監理団体からスタートし、実績を重ねて優良基準を満たした監理団体が一般監理団体の許可を申請することができます。

監理団体の許可要件

監理団体の設立は、事業協同組合を設立したあと、監理団体の許可を取得する必要があります。
事業協同組合とは、中小企業者がお互いに協力し、助け合う精神(相互扶助の精神)に基づいて協同で事業を行って、経営の近代化・合理化と経済的地位の向上・改善を図るための組合です。
近年は、外国人技能実習生を受け入れるための監理団体として、事業協同組合を設立する企業が増えています。
以下では、事業協同組合の設立要件と監理団体の許可要件について、ご説明させていただきます。

事業協同組合の設立要件

【法定基準】
①発起人が法定基準を充足し、かつ、組合員になろうとする者であること。
②創立総会の開催公告が適法に行われていること。
③設立同意者が組合員資格を有する者であること。
④創立総会が適法な定足数を充足して開催され、かつ、各議案について適法な議決が行われていること。
⑤定款および事業計画の内容が、中小企業等協同組合法その他の法令に違反していないこと。
⑥次のア~オの点が組合の目的、すなわち、主として事業の実施計画と対比して矛盾がなく、または各事項相互の間に極端な不均衡がないこと。
ア 組合員資格
イ 設立同意者数
ウ 払込出資予定額
エ 役員の構成
オ 経済的環境

【不認可となる場合】
以下のような場合には、事業協同組合の設立が不認可となります。
①払込出資額が著しく少額であり、共同経営体としての組合であると認め難いとき。
②事業計画が漠然としており、共同経営体としての組合の目的ないし趣旨が著しく分明でないとき。
③組合員の極めて一部の者のみが組合の事業を利用するであろうことが明瞭であり、または、発起人もしくは代表理事のみの利益のために組合を設立しようとすることが明瞭であって、組合は単に名目的な存在となる可能性が強いと認められるとき。
④極めて不安定な基礎のもとに火災共済、その他の共済事業を行う目的をもって設立するものであると認められるとき。
⑤出資金の日掛ないし月掛の払込、借入金の日掛の受け入れなどによって、相互金融事業を行おうとするものであるとき。

監理団体の要件

【監理団体の設立要件】
①営利を目的としない法人であること。
②事業を適正に行う能力を有していること。
ア 監査に関するもの
イ 訪問指導に関するもの
ウ 制度趣旨に反した方法での勧誘に関するもの
エ 外国の送出機関との契約内容に関するもの
オ 外国の送出機関からの取次ぎに関するもの
カ 入国後講習の実施に関するもの
キ 技能実習計画の作成指導に関するもの
ク 帰国旅費の負担に関するもの
ケ 人権侵害行為・偽変造文書等の行使等に関するもの
コ 二重契約の禁止、法令違反時の報告に関するもの
サ 相談体制の整備等に関するもの
シ 監理団体の業務の運営に関する規程の掲示に関するもの
ス 特定の職種・作業に関するもの
③監理事業を健全に遂行できる財産的基礎を有していること。
④個人情報を適正に管理するための措置を講じていること。
⑤外部役員または外部監査の措置を実施していること。
⑥基準を満たす外国の送出機関と、技能実習生の取次ぎについての契約を締結していること。
⑦第3号技能実習を行う場合には、優良要件を満たしていること。
⑧監理事業を適正に遂行できる能力を有していること。
ア 許可を受けたあとに監理事業を適正に遂行する能力に関するもの
イ 管理事業を行う事業所に関するもの
ウ 適正な事業運営の確保に関するもの

【監理団体の欠格事由】
団体や役員が以下のような事由に該当する場合には、監理団体の許可を受けることができません。
①禁固以上の刑に処せられ、執行が終わってから5年、または執行を受けることがなくなってから5年が経過していない場合。
②技能実習法による処分等を受けて監理団体の許可を取り消されてから、5年が経過していない場合。
③出入国や労働に関する法律に関して不正や不当な行為をした場合。
④暴力団員であったり、暴力団員でなくなった日から5年が経過していなかったり、暴力団員等がその事業活動を支配していたり、業務に従事させていたりした場合。
⑤後見開始(成年被後見人)・保佐開始(被保佐人)の審判を受け、または破産手続開始の決定を受けてまだ復権を得ていない場合。
⑥未成年者については、法定代理人が成年被後見人であったり、被保佐人であったり、破産手続開始の決定を受けて復権を得ていなかったり、反社会的勢力の組織に関与していたりした場合。

監理団体の設立方法

監理団体を設立するためには、まずは事業協同組合を設立し、その後、監理団体の許可を取得するという流れで手続を進めることとなります。

以下では、事業協同組合の設立の流れと監理団体の許可の取得の流れについて、ご説明させていただきます。

事業協同組合の設立の流れ

【1】発起人の決定
発起人は事業主(法人または個人事業者)でなければならず、4人(4社)以上が必要。

【2】所管官庁への相談および事業協同組合設立資料の作成
定款、設立趣意書、事業計画書、収支予算書、発起人名簿。

【3】所管官庁との事前協議
発起人全員が所管官庁へ登庁(場合によっては発起人代表のみ登庁)。

【4】事業協同組合創立総会の開催
事業協同組合創立総会の開催のあと、事業協同組合設立認可申請書類を作成。

【5】事業協同組合設立認可申請
所管官庁へ提出。
場合によっては所管官庁へ登庁。
審査に要する期間は1か月程度。

【6】事業協同組合設立の登記
法務局へ登記申請書類を提出。
2週間程度で登記完了。

【7】組合設立の申告
税務署、県税事務所、市町村税務課へ設立の届出。
青色申告の申請も同時に行う。

監理団体の許可の取得の流れ

【1】監理団体許可の申請書類の作成

【2】申請書類の提出・審査の申込み
窓口に申請書類を提出し、審査の申込みを行う。
審査に要する期間は4~5か月程度。

【3】技能実習計画の認定申請
受け入れる外国人技能実習生についての実習計画を作成し、認定を受ける。
審査に要する期間は2か月程度。

【4】在留資格認定証明書交付申請
出入国在留管理局へ申請書類を提出。
審査に要する期間は1か月程度。

【5】技能実習の開始
外国の送出機関から外国人技能実習生を受け入れ、入国後1~2か月程度の入国後講習を経て、技能実習を開始。

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八戸シティ法律事務所では、監理団体設立に向けたサポートのみならず、顧問契約での入管法・技能実習法に関するトータルサポートも可能です。
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ぜひ専門家の活用をご検討ください。

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