日本で事業を行う際には、適切な在留資格を取得した上で、法人設立(個人事業主)や営業許可取得を行わなくてはなりません。

業種によっては、営業許可を必要としないものもありますので、事前に希望する事業が営業許可を必要とするかどうかを確認しておくとスムーズです。

営業許可が必要な主な業種

営業許可が必要な主な業種には、「飲食業」「宿泊業」「理容・美容店」「酒店・水商売」「旅行業」「人材派遣業」等があります。

適切な人材と設備で事業が運営されていることが確認されたあと、国家により営業許可が付与されます。

詳細な規定を有する業種

例えば、飲食業の営業許可を取得する場合、営業する店舗が所在する自治体の保健所に申請します。
各営業形態には、それぞれ異なる規定が事細かに決められています。

一般的なレストランやバーであれば「飲食店営業」の許可を取得することになりますが、営業形態によっては「喫茶店営業」が適用される場合や、「アイスクリーム類製造業」「菓子製造業」「そうざい製造業」も併せて取得する必要がある場合もあります。

保健所の指示に従って許可申請を行えば、特に問題はありませんが、事業内容や形態によって申請方法が微妙に異なる可能性がありますのでご注意ください。

外国人が営業許可を取得する際の注意点

外国人が許認可を得るうえで最も注意しなくてはならないことは、有資格者の存在です。
業種によっては、国家資格を有する管理者無しでは許可が下りないものがあります。

旅行業であれば「旅行業務取扱管理者」、不動産業であれば「宅地建物取引士」など、日本人でも取得が難しい資格が必要になります。

申請する外国人本人がそうした資格を有していれば問題ありませんが、難易度が高い国家資格を必要とする場合もあります。
そのような場合には、有資格者の日本人を管理者として雇用することができますが、このような有資格者である日本人が退職をしてしまった場合は、新たな有資格者である日本人を雇用しなければ事業を存続させることができません。

また、有資格者が名前だけを貸すことはできません。
実際に事業(事務所)を管理していることが必要になります。
有資格者の離職を防ぐため、給与設定を高めにするという方法もありますが、外国人労働者が一から始める事業であれば金銭的な観点から、こうした方法は難しいと言えます。

飲食店の場合では、「食品衛生責任者」資格をさえ有していれば事業を始めることができます。
「食品衛生責任者」は1日講習を受ければ取得できるので、外国人でも取得のハードルは低いと言えます。

飲食店営業許可を受ける場合

飲食店営業許可を取得する際に確認すべきことは「人材」と「お店の設備」についてです。

「人材」については、次の要件を満たすことが必要です。
①申請者本人が過去に食品衛生法違反により処分を受けていないこと。
②営業許可を取り消されてから2年以上経過していること。
また、食品衛生責任者の資格を申請者本人、または従業員が有している必要があります。

「お店の設備」に関しては、事細かな規定が定められています。
地域の状況に合わせて、各保健所が異なる規定を定めている場合もあるためご確認ください。

【お店の設備に関する一般的な共通要件】
①厨房に2層シンクが設置されていること。シンク1槽のサイズが「幅45cm×奥行き36cm×深さ18cm」以上であること。
②厨房の床が清掃しやすい構造であること。
③厨房内、およびトイレ内にそれぞれ「幅36cm×奥行き28cm」以上の大きさの手洗器が設置されていること。
④手洗シンクの周囲に消毒器が固定されていること。
⑤厨房と客室が扉で区分されていること。
⑥厨房内に冷蔵庫などの什器が収まっていること。
⑦厨房内に蓋付きのゴミ箱があること。
⑧食器棚に戸がついていること。

「人材」と「お店の設備」に関する要件を満たしたのち、保健所に出向いて申請し、保健所の職員による立ち入り調査を受けます。

工事完了の少し前に申請をすることで、工事完成後のオープン前に立ち入り検査を受けることができるでしょう。
この検査で不備が見つかった場合には、オープン時期をずらさなければならない可能性もあります。

そのため、事前に弁護士や保健所に相談し、「人材」と「お店の設備」の要件について十分に確認することをお勧めいたします。

申請自体は難しいものではありません。
保健所の指示に従って、営業許可申請書や営業設備の一覧、平面図、見取図等を提出し、手数料を支払うことで完了します。

まとめ

営業許可を取得すること自体は、外国人であってもそれほど難しくありませんが、事業を始めようとする外国人が所有する在留資格により、営業許可申請の時期や手続が異なる可能性があります。
計画どおりに事業を開始できなかった場合には、不法在留となってしまう可能性さえもありますので、外国人が日本で事業(営業許可を取得する)を行う場合には、弁護士・行政書士などの専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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