養子縁組には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2つの制度があります。
どちらも血のつながりのない夫婦と子どもを法的に親子関係にする手続です。
養子縁組手続は、子どもが外国人である場合に複雑なものとなりますが、適切に行うことが求められます。

特別養子縁組とは

特別養子縁組とは、普通養子縁組とは異なり、子どもの本当の親との関係性を完全に解消する手続となります。
そのため、特別養子縁組には特別な事情が伴います。

例えば、親が子を虐待しており、子どもを救出するような状況などです。
そして、養親となる者は「25歳以上」「結婚している」「審判申立ての際に子どもが6歳未満である」「子の本当の両親の同意を得る」などが要件とされています。

また、上記の要件を満たしていたとしても、家庭裁判所は6か月以上の期間にわたり、養親の養育状況を観察します。
これは、養親の適性と養親と子どもの相性を審査するためのものです。
その後、経過を考慮しながら、家庭裁判所の審判が行われることになります。

特別養子縁組と在留資格の関係

特別養親縁組は個々のケースによっても異なりますが、前述の要件に該当していれば認められる可能性が高くなります。

しかし、特別養子縁組の成立と在留資格取得は別問題となります。
特別養子縁組とは、上記のとおり夫婦と子どもを法的に親子関係にする手続で、在留資格とは、日本に合法的に滞在することができる資格を指します。
つまり、特別養子縁組の成立と在留資格取得の双方をクリアしなければ、養親と子どもは一緒に日本で暮らすことはできません。
これは、養親が日本人であっても永住者であっても、同様の扱いとなります。

「正式に養子として認められたのに、在留資格がないのはおかしくないですか?」という疑問を持たれる方が多いかと思われます。
養子縁組により養子となった子どもは、外国人であっても日本人であっても、日本人の子として在留資格に関係なく、日本に滞在できるのではないかと考えることが一般的です。
しかし、現行の法律では、特別養子縁組の成立=在留資格取得というシステムとはなっていないため、法律に乗っ取って正確に手続を進めることが大切です。

「日本人の配偶者など」の在留資格を目指す

特別養子縁組の方は「日本人の配偶者等」の在留資格の取得を目指すことになります。
「日本人の配偶者等」は、その名のとおり、日本人の配偶者などが取得できる在留資格となりますが、この資格の最後にある「等」に特別養子縁組の方も含まれることになります。
養子が外国人配偶者の連れ子の場合は「定住者」を取得できるケースもあります。
また、養子が日本で学校に通学する場合には「留学」の査証(ビザ)を申請し、日本で一緒に暮らす方法もあります。
それぞれのケースによって目指す在留資格が異なりますので、弁護士などの専門家にアドバイスを受け、最適な在留資格を取得することをお勧めいたします。

「日本人の配偶者等」について

「日本人の配偶者等」の在留資格を子どもが取得すると、日本での就学や就労等の制限がなくなり、安定した生活を送る基盤を作ることができます。
しかし、在留期間に関しては個々の状態により判断され、5年、3年、1年、6か月のいずれかの期間を決められます。
そのため、一定期間ごとに在留期間更新許可申請を行うことが必要です。
在留期間更新許可申請とは、その名のとおり在留期間を更新する手続となりますが、申請を行ったからといって必ずしも許可されるわけではありません。
つまり、養子として合法的に「日本人の配偶者等」の在留資格を取得できたとしても、更新時に不許可となる不安定さが残ります。

在留期間更新許可申請の際には、当該機関による日本での生活状況が審査されます。
そのため、犯罪を犯さないことや不法就労は行わないことはもちろん、各種税金の納税や届出義務などは遅れることなく手続を行っていくことが大切です。

特別養子縁組の難しさ

特別養子縁組とは、実の両親との関係性を解消して、新たな両親(養親)との親子関係を法的に認めるものです。
養子縁組は相続などの問題に発展する可能性もあり、当事者だけではなく関係者の意向も聞かなければならない場合もあり、なかには法律で実の両親との関係性を解消することが、人道的に許されるということに疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
特別養子縁組が認められるためには、虐待などによって子供が適切な環境で過ごすことができない理由を抱えている場合に認められることになりますが、適切な環境かどうかを第三者(法律)が判断するのは難しい現状もあります。

まとめ

特別養子縁組を成立させて在留資格取得も取得するためには、根気強く手続を行う必要があります。
出入国在留管理庁は国益を守るために簡単には在留資格を許可しません。
しかし、正確に申請書類を作成して真摯に出入国在留管理庁の指示を仰ぎながら手続を行うことで取得の可能性が見えてきます。
在留資格の許可は法務大臣の広範な裁量に委ねられているため、特別養子縁組を組んでも100%在留資格が許可されるということではありませんが、弁護士などの専門家に相談しながら申請を進めることで、望む結果を得られる可能性が高くなりますので、ぜひ一度ご相談ください。

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