平成29年の統計では、日本の中長期在留者数は223万2026人、特別永住者数は32万9822人であり、合計で256万1848人となっています。

中長期で日本に在留する外国人が増加するということは、当該外国人が扶養する家族(配偶者や子)も増加するということです。

また、外国人の本国で暮らす年老いた親を、治安や衛生状態や良い日本に呼び寄せたいと考える外国人が増加しています。

本国から家族を呼び寄せる方法

日本に在留するためには、在留資格を有している必要があります。
在留資格を持つ外国人が共に住む家族も在留資格を有していなくてはなりません。

外国人の家族は一般的に、下記2つの在留資格のいずれかを取得し、日本に在留することになります。

①「家族滞在」の在留資格

多くの場合は、この「家族滞在」の在留資格で在留することになります。
一般的に「家族ビザ」と呼ばれており、在留資格を有する外国人が扶養する形で滞在できる在留資格です。
配偶者や子がこれに該当します。

「家族滞在」の在留資格期間は、一般的に3か月〜5年ですが、扶養する外国人の在留資格期間と同様の期間となります。

「家族滞在」の在留資格で在留する家族は原則として就労することができませんが、資格外活動許可を得ることでアルバイトをして、扶養する外国人の経済的な負担を幾らか軽減することが可能です(就労の制限はあります)。

②「特定活動(養老扶養)」

配偶者や子以外の親族を呼び寄せたい場合に取得する資格です。

高齢の親などを日本に呼び寄せたい場合には、「特定活動(養老扶養)」の在留資格取得を検討することになります。

しかし、「特定活動(養老扶養)」の在留資格は、あくまでも人道的な措置として許可されるものです。
許可か不許可かといった明確な基準がありません。
そのため、法務大臣に「特定活動(養老扶養)」の在留資格を許可することを認めてもらえるような、説得力のある申請書類を用意することが必要です。

「特定活動(養老扶養)」在留資格の許可を受けるには

前述のとおり、「特定活動(養老扶養)」の在留資格は、あくまでも人道的な措置として許可されるものです。
許可か不許可かという明確な基準がありませんので非常に難しい申請の1つです。
しかし、一般的に言われている取得要件は、下記のとおりとなります。

①呼び寄せる外国人が適法に在留資格を有していること

②親が高齢なこと
何歳からが「高齢」であるという明確な基準は公になっていませんが、親に扶養が必要だと判断される必要があります。

③親に配偶者がいないこと
原則として、親に配偶者がおらず身寄りがないという条件があります。
親が結婚していても婚姻関係が破綻していれば認められる場合もありますので、個別具体的に判断が必要です。

④親を扶養するものがいないこと
例えば、本国に兄弟がいるなど親を扶養することができる者がいる場合は、許可されない可能性があります。
兄弟も本国にいない場合やそもそも兄弟がいない場合などは、許可される可能性が高くなります。

⑤外国人に経済力があること
税金を納めていることはもちろん、預貯金の有無や収入など、親を扶養できる十分な経済力がなければなりません。

⑥外国人が扶養すること
親が日本に滞在後、「日本にいる外国人の扶養を受け、日本に在留すること」が必要になります。
そのため、親を呼び寄せた後、実際に親を扶養することが求められます。

⑦人道上配慮すべき特別な事情があること
日本国として人道上「特定活動(養老扶養)」の在留資格を許可する必要があると判断されなければなりません。
例えば、親が介護を必要としていたり、病気を患っていたりする状況であるにもかかわらず、許可をしない場合には人道上問題があると言えるでしょう。
そのような事実関係を証明する追加書類を提出することが必要となります。

「特定活動(養老扶養)」取得手続きの流れ

一般的には、「短期滞在」の在留資格で親を日本に呼び寄せて、「在留資格変更許可申請」を行って、「特定活動(養老扶養)」の在留資格を取得します。

しかし、前述のとおり「特定活動(養老扶養)」の在留資格は、あくまでも人道的な措置として許可されるものです。
許可か不許可かという明確な基準がありません。
親を呼び寄せたあと、「短期滞在」から「特定活動(養老扶養)」への「在留資格変更許可申請」を行うこと自体は可能ですが、必ず許可されるものではありません。

仮に、親が本国での住まい等を整理して来日した場合に、「在留資格変更許可申請」が不許可となった場合は、非常に難しい状況に置かれてしまうことになります。
そのため、実務的には親が外国にいる間に「特定活動(養老扶養)」の在留資格取得へ向けて動く必要があります。

「特定活動(養老扶養)」は、個々の状況により手続きや申請書類が異なる可能性があるため、申請取次弁護士等の専門家に相談することが望ましいです。

まとめ

日本は、超高齢化社会に突入し、高齢者の方を支える基盤作りが急務となっています。

「特定活動(養老扶養)」申請の際には、「在留資格を有している子が十分扶養できる力があること」「人道上配慮すべき特別な事情があること」を認めてもらうよう努力する必要があります。
もし「特定活動(養老扶養)」の在留資格の許可が下りない場合には、人道上問題があると訴える「意見書」等の追加書類を提出することも大切です。

明確な規定がない「特定活動(養老扶養)」の在留資格の許可を受けるためには、その在留資格がどうしても必要だと明確に理解できるように書類を準備する必要があります。

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